合わない入れ歯は口内がん危険分子??~長年使用や不潔が原因か~
入れ歯は、口の中の粘膜表面にできる扁平(へんぺい)上皮がんの危険性を高めるとの研究結果を、新潟大の朔敬教授(口腔病理学)らがまとめました。
同教授は、「長年の使用で変形して擦れることや、アレルギー、手入れの悪さが原因だろう」として、定期的な受診を勧めています。
このことは、福岡市で平成16年9月29日に開催する日本癌(がん)学会で発表されます。
朔教授らは、新潟大病院で受診された扁平上皮がん患者80人と、通常の浸潤性口腔がん患者100人を比較しました。
上皮がんは、歯の治療を受けた人に多い傾向があり、入れ歯の周囲などでの再発は平均約3回と、通常の3倍でした。 また、口内のがんの主な危険因子とされる飲酒、喫煙の量は上皮がん患者に関しては通常のがん患者よりかなり少ないようです。
こうしたことから朔教授らは、「入れ歯などは上皮がんの危険因子の一つ」と結論づけました。(1)骨の変形で形が合わなくなった、(2)素材が溶け出してアレルギーを起こした、(3)手入れ不足で不潔な状態だった-のため、炎症が持続的に起きたのが原因であると推測しています。
(平成16年10月2日 埼玉新聞朝刊)
合わない入れ歯をしていると…
- 粘膜に潰瘍ができます(褥瘡性潰瘍)
- 残っている歯の負担が大きくなります
- 顎の骨が吸収します
- コンニャク状のブヨブヨした歯ぐきが形成されます(フラビーガム)
- 歯ぐきが線維性に増殖します(義歯性線維腫)
- 顎関節に悪影響を与えます
入れ歯も定期的なチェックが必要です。半年に一度は定期健診を受けましょう!