学校歯科健診
学校歯科健診は、児童生徒健康診断表(歯・口)の健診項目に基づいて行われます。
健診手順は「歯肉の状態」「歯列・咬合・顎関節の状態」「歯垢の状態」をその程度によって『0』『1』『2』で評価します。
その後歯牙の診査に移ります。萌出している全歯について
- 現在歯
- 未処置歯
- 処置歯
- 喪失歯
- 要注意乳歯
- 要観察歯
のいずれかを診査します。
「歯肉の状態」「歯列・咬合・顎関節の状態」「歯垢の状態」の評価について
これらは、0・1・2の3段階で評価します。
- 歯肉の状態・・・歯肉の炎症(歯肉炎・歯周炎)についての診査
- 炎症症状(発赤・腫脹・出血等)がない場合→評価『0』
- 軽度の炎症症状がある場合→評価『1』
- 相当の炎症症状がある場合→評価『2』
- 歯列・咬合・顎関節の状態・・・歯並び、かみ合わせ、顎の関節等についての診査
- 異常なし→評価『0』
- 定期的な観察を要する場合→評価『1』
- より専門的な診査が必要な場合→評価『2』
- 歯垢の状態についての診査
- ほとんど歯垢が付着していない場合→評価『0』
- 歯面の3分の1以下に付着が見られる場合→評価『1』
- 歯面の3分の2以上に付着が見られる場合→評価『2』
上の評価は健診後の対応に反映されます。
- 評価『0』→異常なし→現状では健康が維持されている
- 評価『1』→要経過観察→指導及び定期的な観察が必要
- 評価『2』→要受診→歯科医による専門的な診査、指導が必要
歯牙の診査について
現在萌出している歯牙全てを確認し、う蝕の有無、処置の有無等について診査します。
う蝕の進行程度によって「要観察」「要治療」かを判断します。
- 歯牙診査の基準
- 現在歯→う蝕が見られない歯
- 未処置歯→う蝕が見られる歯(※)
- 処置歯→う蝕(またはその他)のための処置が完了している歯
- 喪失歯→何らかの理由により抜歯となった歯
- 要注意乳歯→永久歯の萌出に妨げとなるなど、保存の適否を考慮すべき乳歯
- 要観察歯→ごく初期のう蝕が疑われ、経過観察が必要な歯
※現在歯、治療に必要なう蝕が認められた未処置歯を一括して(C)と取り扱う。以前のように程度によってC1~C4と分類していません。
CO、Cについて
- CO(要観察歯)とは
- 視診ではう蝕と判断できないが、着色・白斑など、う蝕の初期病変の疑いがある歯のことを言います。CO(要観察歯)は適切な指導を行うことにより、むし歯への移行を遅らせたり、健全な状態への回復が期待できる段階の歯です。治療勧告の対象とはなりませんが、そのまま放置すると、う蝕に進行する可能性がとても高いので、その後の定期的な観察やブラッシング指導などを行う必要があります。
COのうちに対策を!
- C(未処置歯)とは
- 直ちに治療を必要とする状態の歯のことを言います。過去に治療した歯でも新たなう蝕が認められる場合(二次う蝕)もあります。
また、現在治療中の歯も健診時点では治療が終了していないということで未処置歯として判定されます。
GO、Cについて
- GO(歯周疾患要観察者)とは
-
- 歯肉に軽度の炎症症状が認められるが、健康な歯肉の部分も認められる
- 歯垢の付着は認められるが、歯石の沈着は認められない
- ブラッシング指導を行い、注意深く歯磨きを続けて行うことによって炎症症状が消退する歯肉の保有者
以上の場合をGO(歯周疾患用観察者)と言います。
医療機関での治療を受けなくても、学校での適切な対応(ブラッシング指導等)によって歯肉の改善が期待できると判断されたもので、治療勧告の対象にはなりません。