歯並びについて

お口は、物を食べたり話をしたりして一日中動いています。
食事の時に歯を噛み合わせる回数は、一日一万回以上と言われています。
こんなに大切な歯がガタガタで噛み合っていなければ、歯並びの悪いのは見た目の問題だけでなく、色々な悪影響が少しずつですが、身体全体に現れます。

歯並びが悪いと・・・。

  • 歯の重なりやへこんでいるところが多く、歯ブラシが隅々まで行き届かなくなります。そのため、磨き残しができてむし歯になり易くなります。
  • 磨き残した汚れがたまって、歯ぐきにも悪影響を与えます。歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖し、歯肉が炎症を起こしたり、そのまま放置しておくと、歯を支えている骨が溶けて歯がクラついて物が食べにくくなります。

歯周病にもなってしまいます・・・。

  • しっかり噛めないため、胃や腸の消化器官に余分な負担をかけることになるため、消化不良をおこす原因になります。また、早食いや食べ過ぎの元にもなり、肥満の原因にもなります。
  • 歯を噛み合わせる時に、アゴに不自然な力が加わり、アゴに余分な負担がかかります。そのため、顎関節症(アゴ関節の異常)になる可能性が高くなります。
  • 歯を噛み合わせる時に、左右のアゴに加わる力のバランスがくずれます。その不自然で無理やりな力は、アゴだけでなく頭を支えている首の筋肉まで伝わり、首や肩の神経・血管を圧迫し、肩こりや頭痛の原因になります。
  • 発音しにくい言葉があったり、人前で歯を見せて笑えないという劣等感から、性格や行動が内向的になりやすい

以上のように、歯並びの悪いこと(歯列不正)は、単に見た目の問題だけでなく身体全体に悪影響を与えます。何か気になる場合は、まず『かかりつけの歯科医院』で気軽に相談してみてください。
しかし、そうなる前に重要なことは、原因を知ることです。歯並びは遺伝的要素がかなりの要素を占めています。その他に比較的多い歯列不正の原因には以下のような事があります。

  • 乳歯のむし歯を放置したりして、早期に乳歯を喪失してしまった。
  • 歯ごたえのあるもの、硬い食べ物を食べる習慣があまりないため、アゴの成長が悪くなってしまった。

これらの原因は、乳歯のむし歯もきちんと治療する(乳歯を保存する)ことで、永久歯との交換に必要なスペースを確保することにより、歯列不正を起こ しにくくなります。また、日頃から歯ごたえのあるものを意識して食べ、そうでないものもよく噛んで食べるように日頃から心掛けましょう。アゴの成長もよく なり、また歯の生え変わり(歯根の吸収)もスムーズに行われます。

『乳歯は生え変わるから痛くなければ治療しない』という考えは非常に危険です!